幽霊犬の備忘録

某市の職員。政治学を齧りジェンダーや経済思想に関心。

小泉議員の育休取得についての雑感(育休だけを解決策にしてはいけない)

小泉議員が育休を取った際に書いていたが,ずっとアップしてなかった記事を見つけた。

 

今更だが,アップしておく。

(時機を逸しても内容的には問題ないはず)

 

育休という「権利」について,これまでいろんなことを考えてきた。

 

・育児は「権利」であり,生産性を持ち出す必要はない,ということ。

「父親の育児は仕事にも活きて生産性も上がる」なんて言わなくていい - ghost_dog’s blog

・育休は「母親がいったん職場を離れたとしても,やめなくてもいい」ということを担保するもので母親にとっての制度であるため,「父親が育児をする権利」としてアップデートさせねばならない,ということ。(例えば,その一つとして,育「休」ではなく,育児修行とか,親時間という名前へ変更すること)

育休について(その2) 思考実験ー生活保護受給者が育休を取れるのか? - ghost_dog’s blog

・日本における父親の育児は,義務として啓発されてきたが,これからは権利の問題として考えなければならない,ということ。

育児=権利の時代 【#もっと一緒にいたかった 男性育休100%プロジェクト】 - ghost_dog’s blog

 

こういう点から,男性の政治家やリーダーが積極的に育休を取得していくことは望ましいと思う。

 

しかし,やはり,男性の育休取得は,「母親がワンオペ育児を強いられない権利」の側面から位置付けていくこともやはり同様に必要だろうと思う。これらは,必ずしもイコールではない。

 

そもそもシングルマザーや,父親が単身赴だったり病気だったりで,父親が育児の手助けをできない場合だってある。

 

母親だけの育児はもちろん問題だが,それが夫婦2人での育児に変わるだけでは不十分だ。

もっと視野を広げて,社会での育児を目指すべきだ。

 

もちろん,その中で,男性の育休取得推進は,大きな柱になるだろう。しかし,決して,唯一の,必要十分の解ではない。

 

小泉議員が育休を取ったが,育休以外のソリューションについても,尽力していただくことを期待したい。

 

たしかに政治家の育休取得は,「私も育休を取ったから,他の父親もぜひ育休を取ろう!」というメッセージとして,とても大いなる意義がある。しかし,それだけでは足りない。

 

例えば「育児をして,大変さが分かった。自分ですら大変で,いわんやシングルマザーをや。」というような発想で,育休の体験を活かしてもらいたいと思う。