幽霊犬の備忘録

某市の職員。政治学を齧りジェンダーや経済思想に関心。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『選挙制を疑う』の感想 

『選挙制を疑う』という本を読んでいる。 選挙制を疑う(サピエンティア) (サピエンティア 58) 作者:ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック 発売日: 2019/04/05 メディア: 単行本 実は,まだ本文はほとんど読んでおらず,著者による短い結論とあとがき,訳者改…

SOGIとは? 普通の人/普通ではないLGBT という二分論を考え直す

以前、SOGIについて、ノーマライゼーションやユニバーサルデザインと絡めながら記事を書いたことがある。 ghost-dog.hatenablog.com 今回の記事は、これをベースに改めてブラッシュアップしたものなので、せっかくなので、今回の記事の方を読んでもらいたい…

『負債論』第9章 枢軸時代(前800〜後600年)要約

この時代には硬貨鋳造の開始、そして金属塊への全般的転換がみられる。(p.324) ●軍事=鋳貨=奴隷制複合体・度重なる債務危機を軍事的拡大を通じて解決しようとする試みが、「軍事=鋳貨=奴隷制複合体」とも呼ぶべき制度としてあらわれた。鋳貨は、債務危機…

『負債論』 第8章 「信用」対「地金」−そして歴史のサイクル 要約

現代文明の基盤に奴隷制の論理がある一方、公式の動産奴隷の廃棄だけでもめざましい達成とみなさなければならない。そして、どのようにそれが実現されたのか、考えてみる価値がある。そして、奴隷制の消滅は、ヨーロッパだけに限定されない。この事態は、歴…

『負債論』第7章 名誉と不名誉 あるいは、現代文明の基盤について 要約(を目指したもの)

しばらく積読だったが、また再開する。 この章、やや難解というか、多様な事例やテーマが交錯するように議論されてあり、論旨をきちんと追いかけきれておらず、要約もグダグダだが、一旦、適当に切り上げて、先に読み進めることにする。 ・人間性の剥奪が、…