ドラマ『相棒』と『義母と娘のブルース』における社会運動の描かれ方
ドラマ『相棒』は観てないが、「訴訟を起こした当事者である非正規の店舗のおばさんたちが、あのようにいきり立ったヒステリックな人々として描かれ」た点が問題視されたようだ。
相棒20元日SPについて(視聴を終えた方々へ) | 脚本家/小説家・太田愛のブログ
マスメディアは社会運動をどのように報道・描写してきたのか?(富永京子) - 個人 - Yahoo!ニュース
その点、1/2の夜にやってた綾瀬はるか主演の『義母と娘のブルース』は対照的だった。
あらすじ|TBSテレビ:『義母と娘のブルース』2022年 謹賀新年スペシャル
(元々ドラマを観てた訳でもないし、昨日も途中からの「ながら観」だったから、不正確かもしれないが)
【以下、ネタバレ注意】
ながら観だったから正確じゃないかもしれないが、確か、こんな感じの話。
・小規模パン屋が詐欺的なやり口で大手パン屋(及び結託したハゲタカファンド)に事業を乗っ取られた。
・winwinと偽わられて合併の契約書に判を押したが、実際は事実上、大手資本の傘下に入る合併契約だった。
・それにより、小規模パン屋は、店名やブランド名を利用する権利の一切を使えなくなった
・小規模パン屋の名前を冠したパンが、大手パン屋主導のもと全国のスーパーなどで流通されることになり、大手パン屋の株価は急上昇
・これに対し小規模パン屋は「あいつら(ハゲタカファンド)はパンの1つも焼けないくせに」と憤ったが、それが抵抗の契機になった。
約1000人の小規模パン屋の工場の従業員は、一斉にストライキ+デモすることで合併契約の解消を要求し、詐欺的な合併を押し戻すことに成功した。
ハゲタカファンドは「自力では大好きな株価を1円も上げられない」と喝破された。
最近読んでた『ブルシットジョブ』で、「価値」を作り出しているのは資本家ではなく労働者であるという「労働価値説」について論じられていた箇所があるが、今回のドラマはそれを彷彿とさせる内容だった。
ある意味古典的なテーマなんだろうが、こういう展開のドラマが、令和の時代に放送されたというのは興味深い。